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20歳到達時の国民年金の加入手続について

日本国内に在住する人が20歳に到達した時、お勤め先で厚生年金に加入していない場合は、国民年金加入手続きが必要です。年金機構から案内文書とともに「基礎年金番号通知書」「国民年金保険料納付書」が送られてきますので、届いたらすぐに中身を確認することをお勧めします。

国民年金の令和4年度の月額保険料は16,590円。もし本人が学生であり、納付することが経済的に困難な場合は、「学生納付特例制度」がありますので、早めに市役所の年金課か年金事務所に相談しましょう。制度を適用されれば、納付しなくても「保険料未納扱い」になりません。納付しなければこの期間分の老齢年金はもらえませんが、もし学生期間に大けがを負って重度の障害状態になったときには、障害年金を請求できます。万が一の時に、大きな違いが出ますので、納付か学生特例制度を活用するか、早めにきめて対応しましょう。

納付できる場合は、①付加保険料付きで納付すること、②前納制度を活用すること、③イデコにも加入すること、をお勧めします。

①は、通常の国民年金保険料に、400円プラスして保険料を納付するものです。納付するときは400円高いのですが、将来老齢年金をもらうときには、「200円×付加保険料納付月数」の金額が加算されます。つまりは、受給開始から2年間でモトをとり、3年目からはモトを超えてもらえることになるので、大変コスパのよい制度なのです。480月全部付加保険料納付したら、480か月×200円=96,000円が終身加算されます。この制度は、市役所年金課か年金事務所に申出手続きが必要ですが、申出月から適用なので、ご希望の方はお早目にお手続きください。

②国民年金保険料の納付方法により、実は割引額に違いがあります。a.口座振替前納、b.現金払い前納、c.口座振替早割、d.口座振替2年分前納」がありますが、一番割引が多いのは、dです。令和4年度の2年前納の割引額は、15,790円です(約保険料1か月分)。本来なら2年分で397,320円(R4.4~R6.3の24か月分)のところ、381,530円となります。この制度は、毎年2月が翌年度分の申し込み期限とされていますのでご希望の方はご注意ください。

③国民年金保険料を納付したうえで、まだ経済的に余裕がある方は、イデコ加入をお勧めします。イデコとは、個人型確定拠出年金のことです。学生であれば、下限額の月額5,000円でもよいと思います。「早く資産運用の習慣を身に着ける」ことがよいのはもちろんですが、私がお勧めする理由は、少しでも早く始めれば、「退職金所得控除額の算定基礎期間を長くすることができるから」です。確定拠出年金の加入・拠出期間は、退職金所得控除額を計算するときに使用され、この期間が長いほど、現行制度では有利になっています。将来の税法がどうなっているかは不明なので、確定ではありませんが、早めのイデコ加入は将来の受給時にかかわる大きなメリットがあると思いました。